▽被害の全容は明らかになっておらず、連邦政府と州政府が調査している。
米カリフォルニア州ロサンゼルス西部で延焼中の山火事について、州当局は23日、少なくとも6つの山火事が延焼中であると明らかにした。
消防はこれまでに28人の死亡を確認し、各地で消火活動と行方不明者の捜索を続けている。
国立気象局(NWS)は南カリフォルニアの広い範囲で23日まで強風が続くと予想している。
パシフィック・パリセーズ地区の山火事では6000棟以上の建物が焼失。鎮火率は23日午前の時点で72%、焼失面積は95平方キロメートルとなっている。
イートン地区の山火事では1万棟以上の建物が焼失または損壊。鎮火率は95%、焼失面積は56平方キロメートル。
ロサンゼルス北部で今週発生したヒューズ火災は強風に煽られ延焼中。約3万1000万人に避難命令、2万3000人に避難勧告が出ている。23日午前の時点で建物被害は確認されていない。
ニューサム(Gavin Newsom)州知事は23日午後、山火事対応と復旧活動を支援する25億ドルの救済法案に署名した。
ニューサム氏の記者会見には州議会の下院議長と上院議長、議員や地元首長らも出席した。
ニューサム氏は必要な予算措置を行い、被災地にさらに多くの支援を届けると述べた。
消防当局によると、南カリフォルニアの広い範囲で23日、新たな山火事が少なくとも10カ所で確認されたものの、その大部分が鎮火したり、風が弱まった影響でほとんど延焼していないという。
サンディエゴ郡で発生した複数の火災は鎮火。1つが延焼中で、0.1平方キロメートルほどが消失したと推定されている。
警察によると、パリセーズとイートンの火災でこれまでに28人の死亡を確認、複数人と連絡が取れていない。イートンで17人、パリセーズで11人が亡くなった。
被害の全容は明らかになっておらず、連邦政府と州政府が調査している。気象予報サイト「アキュウェザー」は被害総額を1500億ドル(約23兆5000億円)と見積もっている。政府はまだ被害予測を出していない。
米国の山火事シーズンは通常、10月末頃まで続き、11月に入ると落ち着くことが多い。
昨年は11月に入っても季節外れの高温と乾燥が続き、山火事の発生リスクが高い状態が続いていたものの、11月末に気温が急激に下がり、ほぼ全ての山火事が鎮火した。