▽国立気象局(NWS)によると、南カリフォルニア全域で20日から再び風が強まると予想されている。
米カリフォルニア州ロサンゼルス西部で発生した山火事について、州当局は19日、これまでに27人の死亡を確認し、消火活動と行方不明者の捜索を続けていると明らかにした。
それによると、19日時点で20数人と連絡が取れない状態。数千人の消防士が2つの山火事と戦っている。
最初の山火事は西部のパシフィック・パリセーズ地区で7日の午前11時頃に報告された。
国立気象局(NWS)によると、南カリフォルニア全域で20日から再び風が強まると予想されている。
これまでに約1万2000棟の建物が焼失し、19日午前の時点で8万2000人に避難命令、9万人に避難勧告が出ている。
パシフィック・パリセーズの山火事では約5000棟の建物が焼失。鎮火率は19日午前の時点で52%、焼失面積は95平方キロメートルとなっている。
イートン地区の山火事では約7000棟の建物が焼失。鎮火率は81%、焼失面積は56平方キロメートル。
他の山火事は概ね鎮火したが、20日以降の強風に煽られ、再燃する可能性がある。
被害の全容は明らかになっておらず、連邦政府と州政府が調査している。気象予報サイト「アキュウェザー」は被害総額を1500億ドル(約23兆3600億円)と見積もっている。政府はまだ被害予測を出していない。
ニューサム(Gavin Newsom)州知事は19日、今週予想される強風に先立ち、現場に追加資源を投入すると発表した。
NWSは20~22日にかけて太平洋岸を中心に風が強まり、ロサンゼルス郡やベンチュラ郡の山間部では40メートルを超える暴風になる可能性があると警告している。
NWSは南カリフォルニアの広い範囲に暴風警報を発令している。
23日以降は風が弱まる見通し。雨や雪はしばらく期待できそうにない。
NWSはロサンゼルスの4地域(サンタクラリタ、シミバレー、サウザンドオークス、バーバンク)で山火事のリスクが高まっているとして、火の取り扱いに注意するよう呼びかけている。
米国の山火事シーズンは通常、10月末頃まで続き、11月に入ると落ち着くことが多い。
昨年は11月に入っても季節外れの高温と乾燥が続き、山火事の発生リスクが高い状態が続いていたものの、11月末に気温が急激に下がり、ほぼ全ての山火事が鎮火した。