▽TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。
パキスタン最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)が国内の軍事企業などを攻撃すると警告した。現地メディアが6日に報じた。
それによると、TTPは5日午後に声明を出し、国軍や警察などの治安当局だけでなく、政府とつながりのある軍事企業やその他民間企業も標的にすると警告したという。
アフガニスタンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州では近年テロが多発。その多くにTTPが関与している。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。
TTPは声明で、「政府や軍が関与する軍事企業、その他企業も攻撃の対象になる」と警告した。
TTPはラワルピンディに拠点を置く物流会社、建設会社、肥料製造会社、公営住宅、銀行、その他多くの企業、そして軍事企業と治安当局本体を攻撃するとしている。
TTPは声明の中で、これらの企業で働く市民に3カ月以内に退職するよう促し、それ以降に攻撃を開始すると警告した。
政府と軍はこの主張に関するコメントを出していない。
パキスタン軍は昨年末、アフガン東部パクティカ州の過激派拠点を空爆し、少なくとも46人を殺害。アフガンのタリバンはTTPの拠点が攻撃を受けたと非難した。
パキスタン政府はタリバンが過激派の取り締まりを怠っていると非難しているが、タリバンはこれを否定している。
それ以来、カイバル・パクトゥンクワ州では治安部隊への攻撃が相次ぎ、数十人が死傷している。