◎イタリアとアルバニア政府は昨年11月に移民の受け入れに関する協定を締結。その期間は5年間で、イタリアの沿岸警備隊が国際水域で拘束した移民のうち、毎月最大3000人をアルバニアの施設に送る。
イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相は23日、休眠状態になっているアルバニアの移民収容センターを再稼働させると誓った。
首相府は声明で、「政府は移民問題における革新的な解決策について、作業を続けるという固い意志で団結している」と述べた。
また首相は最高裁判所の判決を引用し、「亡命申請が却下された移民の送還は絶対である」と強調した。
イタリアとアルバニア政府は昨年11月に移民の受け入れに関する協定を締結。その期間は5年間で、イタリアの沿岸警備隊が国際水域で拘束した移民のうち、毎月最大3000人をアルバニアの施設に送る。
メローニ政権は今年10月、アルバニアに2つの移民収容センターを開設した。ここでは亡命を希望する男性移民を処理する。
女性、子供、高齢者、病気や暴力の被害者はイタリアの施設に収容される。家族が引き離されることはない。
メローニ政権はさっそくセンターに移民を送ったものの、地方裁判所が人権団体の訴えを認め、これに待ったをかけた。
ローマ地裁は送還が決まった移民の本国が安全ではなく、命の危険にさらされる可能性があるとして、送還を差し止めた。
最高裁は先週、「下級裁判所はケース・バイ・ケースでそのような判断を下すことができるが、移民の送還に関する全体的な方針を定めることはできない」と裁定した。
メローニ氏は週末の記者会見で、「最高裁の判決は政府が正しかったことを実質的に証明した」と語った。
政府はセンターの運営費として、5年間で6億5千万ユーロ(約1060億円)を計上している。