◎サラエボは山々に囲まれた谷間に位置し、特にスモッグが滞留しやすい。
ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボがスモッグに覆われている。
地元当局は19日、大気汚染が健康に害を及ぼす水準に達したとして、市民に不要不急の外出を控え、屋内にとどまるよう勧告した。
スイスに拠点を置く企業「IQAir」のデータによると、サラエボの19日午前の大気質指数は225。危険とされる300は下回っているものの、世界保健機関(WHO)が推奨する安全基準を大幅に上回り、多くの旅客機が視界不良により欠航を余儀なくされた。
サラエボ市内でAP通信の取材に応じた女性は、「スモッグは冬の風物詩になっており、マスクを着用しても喉がイガイガする」と語った。
サラエボを含むバルカン半島の多くの都市では石炭や薪による暖房が主流であり、冬の間はほぼ毎日、霧のようなスモッグに覆われる。
地元メディアによると、サラエボの大気質悪化の原因は石炭式暖房、車やバイクの排気ガス、焼き畑、野焼きなど。
大気汚染は冬に深刻化することが多く、気象条件などの影響により大気がよどみやすい。
サラエボは山々に囲まれた谷間に位置し、特にスモッグが滞留しやすい。
バルカン半島の国々はEUへの加盟を目指す中で、環境保護の改善を約束しているにもかかわらず、効果的な対策を取れずにいる。半島の河川はしばしばゴミで詰まり、リサイクルはほとんど行われていない。
隣国セルビアの首都ベオグラードの大気質指数も19日、「不健康」とされる170となった。