◎イランはIAEAの要求を無視し、兵器級に近いレベルの高濃縮ウランを生産し続けている。
イラン政府は22日、国際原子力機関(IAEA)の理事会が採択した非難決議を一蹴し、新型のより高度な遠心分離機を稼働させると主張した。
IAEA理事会は21日、イラン国内における格施設調査への全面的な協力を怠ったとして、イランを非難した。
この決議案はフランス、ドイツ、イギリスが共同提出。採決の結果、賛成多数で採択された。ロシア、中国、ブルキナファソが反対、12カ国が棄権、1カ国が投票しなかった。
IAEAがイランを非難したのは今年6月以来。
イラン外務省は決議を非難。さらに、原子力機関は「ウラン濃縮用の強力な新型遠心分離機を稼働するよう命じた」と明らかにした。
イランはIAEAの要求を無視し、兵器級に近いレベルの高濃縮ウランを生産し続けている。
報道によると、イランは10月26日時点で60%の高濃縮ウランを182.3キログラム保有。8月時点から17.6キロ増えたという。
2018年に破綻したイラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。
<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用
イラン当局は「IAEAとの技術協力はこれまで通り、我が国が合意した枠内で継続する」と主張した。
アラグチ(Abbas Araghchi)外相は今週、欧州諸国の決議案提出を非難。「核合意再開に向けた協議を複雑にする」と述べていた。
決議はイラン国内のいくつかの未申告の施設でウラン粒子が確認されたことに対するグロッシ(Rafael Mariano Grossi)事務局長の深い懸念を強調した。