◎エクアドルは国内で消費する電力の70%を水力発電で賄っている。
南米エクアドル政府が18日、歴史的な干ばつと記録的な山火事が続いているとして、「森林火災、水不足、干ばつ非常事態」を宣言した。
政府の危機管理事務局(SNGR)は声明で、「過去に類を見ない森林火災、水不足、干ばつが続いており、国民の命が危険にさらされているため、非常事態を宣言する」と発表した。
またSNGRは「常軌を逸した水不足が国を席巻しており、120日近く、ほとんど雨が降っていない」と強調した。
エクアドルは国内で消費する電力の70%を水力発電で賄っている。
政府は先月、干ばつの影響で水力発電所の水位が低下しているとして、1日あたりの計画停電時間を最大14時間に拡大した。
地元メディアによると、南部の2州で少なくとも13件の山火事が延焼中。現場に近づくことが難しいケースもあり、消防がヘリや飛行機で消火に当たっているという。
大統領府の報道官は18日、SNSに声明を投稿。「政府は必要な予算を確保し、山火事や水不足に苦しむ地域への支援を拡充する」と書き込んだ。
消防庁によると、9件の火災が最近鎮圧したものの、乾燥と強風の影響で山火事の発生リスクは極めて高い状態が続いているという。
南部2州の焼失面積は1000平方キロメートルを超え、複数の建物が全焼した。死傷者の情報はない。
9月には山火事が首都キトを脅かし、煙と灰が郊外の住宅地を覆った。この時は2000人以上の消防士、陸軍、警察官が出動し、対応に追われた。
政府は今回の干ばつを過去60年間で最悪と説明している。