◎米電気自動車大手テスラとXを率いるマスク氏は最近、トランプ効率化省のキャプテンに抜擢された。
イタリアのメローニ首相(左)と米テスラ車のマスクCEO(Getty Images)

米トランプ新政権の新組織「政府効率化省」のトップに就任するマスク(Elon Musk)氏とイタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相がタッグを組む日も近い。

X(旧ツイッター)の頭取であるマスク氏は反移民を推進するメローニ氏を「欧州で最も偉大な指導者のひとり」と称賛し、メローニ政権の移民追放政策に待ったをかけた司法を「バカの極み」と蔑んだ。

イタリアとアルバニア政府は昨年11月に移民の受け入れに関する協定を締結。その期間は5年間で、イタリアの沿岸警備隊が国際水域で拘束した移民のうち、毎月最大3000人をアルバニアの施設に送る。

イタリア政府は先月、アルバニアに2つの移民収容センターを開設した。ここでは亡命を希望する男性移民を処理する。

女性、子供、高齢者、病気や暴力の被害者はイタリアの施設に収容される。家族が引き離されることはない。

そしてイタリア政府はさっそくセンターに移民を送ったものの、裁判所がこれに待ったをかけた。

マスク氏は司法を「無能」と呼び、メローニ氏にエールを送った。

イタリアのマッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領はマスク氏のXコメントに即座に反応。「内政に干渉するな」と叱責した。

米電気自動車大手テスラとXを率いるマスク氏は最近、トランプ効率化省のキャプテンに抜擢された。

不法移民が大嫌いなトランプ(Donald Trump)次期大統領はメローニ氏を「世界で最もタフな女性指導者」と呼んだことがある。

専門家たちはメローニ氏の移民追放政策が西側の分断を象徴していると指摘している。

しかし、司法がこれに待ったをかけたため、追放政策は今のところ全く機能していない。

ローマ地裁は先週、アルバニアのセンターに送られたエジプト人とバングラデシュ人をイタリアに戻すよう命じた。

同裁判所は先月にも、別の案件で移民をセンターに収容するはできないと裁定していた。

2つのセンターは現在空っぽで、イタリア当局は現場スタッフの数を減らしている。

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