◎米国の山火事シーズンは通常、10月末頃まで続き、11月に入ると落ち着くことが多い。
米カリフォルニア州ベンチュラ郡の山火事が勢いを増し、過去24時間で80平方キロメートルが消失した。消防局が7日、明らかにした。
同州のニューサム(Gavin Newsom)知事は7日、ベンチュラ郡に非常事態を宣言。連邦緊急事態管理庁(FEMA)と連携して必要な予算と資源を確保するとした。
消防によると、ベンチュラ郡の複数のコミュニティで家屋や建物が被害を受けたという。
米国の山火事シーズンは通常、10月末頃まで続き、11月に入ると落ち着くことが多い。
しかし、今年は11月に入っても季節外れの高温と乾燥が続き、山火事の発生リスクが高い状態が続いている。
国立気象局(NWS)はベンチュラ郡とロサンゼルス郡に警報を発令。少なくとも8日の朝までは高温と極度の乾燥が続くとしている。
ABCニュースはベンチュラ郡当局者の話しとして、「煙を吸い込んだり、その他のケガにより、複数の人々が病院に運ばれ手当てを受けた」と報じた。
一部の負傷者は炎から逃れるために車で移動したものの、炎に進路を阻まれ、動けなくなったという。SNSで共有された動画には消防車が放水しながら乗用車に横付けする様子が映っていた。
ベンチュラ郡消防局は7日夕方の記者会見で、「郡内で88の建造物が被害を受け、少なくとも132の家屋とみられる建物が全焼した」と明らかにした。
それによると、これまでに10人が負傷し、病院に搬送されたものの、いずれも命に別条はないという。
ベンチュラ郡の保安官は「州知事の非常事態宣言に基づき、郡の市民少なくとも1万4000人が避難を命じられた」と述べた。
カリフォルニア州政府は同州沿岸部および内陸部の多くの地域で山火事のリスクが高まっているとして、州内の19の郡に48の消防機材、9機の消防ヘリコプター、100人以上の追加要員を事前に配置したと明らかにした。
今年の全米の山火事による焼失面積は4万平方キロメートル(東京都面積の18倍)を超えている。