◎この事件は今月13日にイラン南部シスタンバルチスタン州のアフガン国境近くで発生したとされる。治安部隊は数十人を殺害したとされるが、イラン当局は疑惑を否定している。
アフガニスタンとイランの国境付近で複数のアフガン人がイランの治安部隊に殺害されたという疑惑について、タリバン暫定政権は10月31日、少なくとも2人が殺害されたと明らかにした。
この事件は今月13日にイラン南部シスタンバルチスタン州のアフガン国境近くで発生したとされる。治安部隊は数十人を殺害したとされるが、イラン当局は疑惑を否定している。
タリバンの報道官は声明で、「委員会がこの事件を調査し、イラン領内の渓谷で爆発と銃撃により、アフガン人が標的になったことを確認した」と述べたが、誰が攻撃したかは言及しなかった。
それによると、アフガン人2人と傍観者とみられる34人が死亡し、負傷した者の一部はパキスタンの領内に逃げ込んだという。
イランのバルチ人を支援する団体は国境近くで発生したとされる銃撃事件の報告書を公表。目撃者の話を引用し、「死亡したアフガン人は数十人、負傷者はさらに多い」と主張していた。
この団体は犠牲者のものとされる写真も公開。イランの治安部隊が銃器とロケット弾を使ったアフガン人を虐殺したと主張している。
イラン当局は疑惑を否定。団体の報告書を「ひどい偽情報」と呼んだ。
イランではここ数カ月、欧米の制裁で経済が疲弊する中、アフガン移民の追放を求める声が高まっている。
イラン国家警察の長官は以前、約200万人のアフガン移民を強制送還すると警告し、物議を醸した。
イランで生活するアフガン移民は約380万人と推定されている。その多くが1979~89年の旧ソ連によるアフガン侵攻時に逃れた人々やその親族である。