◎車に乗った2人組は23日、アンカラ近郊にある軍需企業「トルコ航空宇宙産業(TAI」の本社施設で発砲し、駆けつけた治安部隊と銃撃戦になった。
トルコ・アンカラ近郊の軍需企業で発生したテロ事件について、イラクとシリアに拠点を置く「クルド労働者党(PKK)」が25日、犯行声明を出した。
車に乗った2人組は23日、アンカラ近郊にある軍需企業「トルコ航空宇宙産業(TAI」の本社施設で発砲し、駆けつけた治安部隊と銃撃戦になった。
このテロ攻撃により、少なくとも5人が死亡、22人が負傷した。実行犯である男女は死亡が確認された。
大統領府によると、負傷した22人のうち7人が治安部隊の兵士であった。
PKKは声明で、「TAIの社屋を襲撃したのは我々の同胞2人で、トルコ軍の虐殺やクルド人自治区でのその他行動に対抗するためのものだ」と述べた。
2人組は施設に爆発物を仕掛けて発砲、TAIの従業員4人が死亡した。その後、2人組はタクシー運転手を殺害して施設内を移動、再度発砲した。
イェルリカヤ(Ali Yerlikaya)内相によると、女は施設入口での銃撃戦で負傷した後、爆発物を起爆させて自ら命を絶ったという。男は近づいてきた治安部隊に手榴弾を投げつけた後、近くの建物のトイレで自爆した。
トルコはこの攻撃をPKKのテロと断定し、イラク北部やシリア北部のPKK拠点とされる施設への空爆を開始した。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
トルコ政府はPKKやクルド人民防衛部隊(YPG)などのテロ組織がクルド人自治政府を支援し、独立国家の建設を企てていると長年非難してきた。
エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は今週初め、国内の刑務所に収監されているPKK指導者が暴力を放棄し、組織を解散するのであれば、仮釈放を認める可能性があると示唆した。
PKK指導者であり、創設メンバーであるアブドラ・オカラン(Abdullah Ocalan)はイスタンブール沖の刑務所で終身刑に服している。オカランの甥は24日、「叔父は平和のために働く用意がある」と声明を出していた。
しかし、PKKは25日の声明で、「今回の攻撃は最新の”政治的策略”とは関係なく、ずっと前から計画していた」と主張した。