軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
2024年10月21日/スーダン、西部ダルフール地方、貨物機が墜落した現場(Rapid Support Forces)

キルギスの国営メディアは22日、アフリカ北東部・スーダンで撃墜されたとみられる貨物機について、今年1月にキルギスからスーダンに移管されたものであると報じた。

スーダンの軍事政権と激戦を繰り広げる準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は前日、西部ダルフール地方で外国の傭兵と爆弾を積んだ貨物機を撃墜したと発表。墜落現場の映像を公開した。

SNSで共有された動画には貨物機の墜落現場とみられる野原で火災が発生し、RSFの戦闘員とみられる男たちが現場から回収した身分証明書などをカメラに向ける様子が映っていた。

それによると、この貨物機はRSFを支援していると以前告発されたアラブ首長国連邦(UAE)の国営企業の関連会社が運航していたとみられるが、詳細は不明だ。

UAEはこの告発を否定している。

今のところ、この貨物機が何をしようとしていたのか、誰が運航していたのか、どこに向かっていたのかは分かっていない。

貨物機は隣国チャドとの国境に近いダルフール北部の平地に墜落したとされる。

AP通信は21日、在スーダン・ロシア大使館の外交官がこの事件を調査していると報じた。

それによると、この貨物機にロシア人が乗っていた可能性があるという。

RSFの戦闘員とみられる男はロシアのものとみられるパスポートとUAEの企業のものとみられる書類をカメラに見せびらかしている。

在スーダン・ロシア大使館とロシア外務省はこの事件に関するコメントを出していない。

軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、2万4000人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は一部地域で飢饉が発生し、生き残るために雑草を食べている家族もいると報告している。

キルギスの国営メディアによると、この貨物機は今年1月に航空機登録を抹消され、スーダンに移管されたという。キルギス国民がこの墜落に巻き込まれたという情報はないとのこと。

RSFは貨物機がスーダン軍に所属し、「民間人に向けて樽爆弾を投下していた」と主張。そのブラックボックスを回収したとしているが、真偽は不明である。

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