◎激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。
アフリカ北東部・スーダンの軍事政権は20日、敵対する準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の上級司令官と部隊の一部が離反し、軍政側に寝返ったと主張した。
軍政とRSFは昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、2万人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
RSFはハルツームと西部ダルフール地方の大部分を支配し、先月末から軍政と激戦を繰り広げている。
軍政の支持者たちは20日、RSFの上級司令官とされる元陸軍将校が軍の兵士らと笑顔で写真を撮る動画や写真をSNSに投稿した。
軍政によると、この上級司令官はRSFの方針に不満を感じ、離反を決断したという。それ以上の詳細は明らかにしておらず、RSFもコメントを出していない。
また軍政はエチオピアとの国境に近い南東部センナール州でRSFを退け、東部から南部への補給路を開いたと主張した。
軍政とRSFは北ダルフール州エルファーシルでも激戦を繰り広げている。
RSFはダルフール5州のうち4州(東、西、中央、南)を支配するも、軍政とその支援民兵が激しい抵抗を続ける北ダルフール州の制圧には苦戦している。