◎この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、2万人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。
スーダン、沿岸の都市ポートスーダン、陸軍の兵士(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンの首都ハルツームで軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が激化している。

軍政は先月末、RSFの支配下に置かれるハルツームへの総攻撃を開始した。

戦闘機と地上部隊がハルツーム中心部の政府庁舎を目指す中、多くの市民が避難を余儀なくされている。現地メディアによると、軍政はいくつかの地区を奪還したものの、RSFの反撃を受け、思うように前進できずにいるという。

軍政とRSFは昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、2万人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。

激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

現地メディアによると、軍政はハルツームにつながる3つの橋を奪還し、近隣の町にある軍事施設からRSFを追い出したという。

ほとんどの市民が軍政の反撃を歓迎し、自分たちの住む地域に平和が戻ったと安堵しているようだ。

しかし、その歓喜とは裏腹に、軍は領土を奪還する際、RSFの戦闘員や関係者と見なした人々をその場で処刑しているとされる。国連も数カ月前から軍政が超法規的殺人を行っていると非難してきた。

軍政とRSFは北ダルフール州エルファーシルでも激戦を繰り広げている。

RSFはダルフール5州のうち4州(東、西、中央、南)を支配するも、軍政とその支援民兵が激しい抵抗を続ける北ダルフール州の制圧には苦戦している。

戦闘が激化する中、国連の推定によると、北ダルフール州では約70万人の国内避難民が飢餓に直面し、いつ死んでもおかしくない状況に置かれているという。

RSFはエルファーシルを5ヶ月間にわたって包囲し、市民に壊滅的な苦しみをもたらしている。そこで生活する市民は280万人と推定され、脱出する手段もなく、十字砲火にさらされているという。

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