◎かつて中国経済をけん引してきた不動産市場は現在、足を引っ張る存在となっている。
中国政府は17日、「健全な」住宅プロジェクトに対する融資枠を4兆元(約84兆3800億円)に拡大すると発表した。
倪虹(Ni Hong)住宅都市農村建設相は記者会見で、「ホワイトリストに掲載された開発プロジェクトに対する融資枠を拡大し、全国100万カ所を再開発するための措置も講じる」と語った。
また倪氏は「これが住宅市場を活性化させると確信している」と述べたが、1社あたりの資金調達の規模など、詳細には触れなかった。
倪氏によると、10月の不動産販売数は急増し、「住宅市場は3年ぶりに底を打った」という。
政府はここ数週間、過剰な借り入れの取り締まりをきっかけに低迷した不動産市場を安定させるため、努力を重ねている。
かつて中国経済をけん引してきた不動産市場は現在、足を引っ張る存在となっている。
当局は週末、地方政府が未割り当ての国債枠から資金を調達し、不動産市場を下支えするために債務上限を引き上げることを認めると発表した。
9月下旬には個人向け住宅ローン金利が平均0.5ポイント引き下げられ、セカンドハウス購入時の最低頭金比率も25%から15%に引き下げられた。
しかし、多くのアナリストがこれらの措置を導入しても、不動産危機を防ぐことはできないと指摘している。
国内では数百万戸の不動産が建設段階で放置されている。その多くがマンションであり、政府は過剰な借り入れで首が回らなくなった企業を罰している。