◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国、北キブ州郊外、陸軍兵士(Getty Images)

国際刑事裁判所(ICC)のカーン(Karim Khan)主任検察官は13日、アフリカ中央部・コンゴ民主共和国の紛争地における犯罪捜査を再開すると発表した。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

その一部は数千人の市民を虐殺。結果、世界最大級の人道危機を引き起こし、700万人以上が避難生活を余儀なくされている。

同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)は10年以上前にルワンダ国境に接する東部最大の都市ゴマを掌握したことで頭角を現した。

8月にはM23と親政府民兵の衝突に市民が巻き込まれ、少なくとも16人が死亡したと伝えられている。

ICCは20年前、それ以前から続く武力紛争の犯罪捜査を開始。コンゴ政府は昨年、22年1月1日以降、東部・北キブ州で活動する武装勢力による犯罪を調査するようICCに要請した。

カーン氏は声明で、「北キブ州における最近の暴力は2002年半ば以来、この地域を悩ませてきた暴力と相互に関連している」と述べた。

またカーン氏は「北キブ州での調査は特定の政党やグループメンバーに限定されるものではない。ICCの管轄内で犯罪を犯したとされるすべての関係者の責任を全体的、独立的、公平に調査する」とした。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。

国連によると、この紛争に巻き込まれて死亡した市民は数万人と推定されているが、正確な死者数を知る術はない。被害の全容も不明である。

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