◎エジプトで列車の脱線・衝突事故は珍しくなく、多くの専門家が設備のメンテ不足や安全基準に問題があると指摘している。
エジプト南部ミニヤ県で旅客列車同士が衝突、数両が脱線し、少なくとも1人が死亡、21人が負傷した。地元当局が13日、明らかにした。
それによると、事故は首都カイロの南方約270キロに位置するミニヤ県で発生。旅客列車が別の旅客列車に追突し、2両が線路横の水路に転落した。
地元テレビ局が報じた映像には負傷者を搬送する救助隊とボランティアの姿が映っていた。
事故原因は明らかになっておらず、警察が関係者から話しを聞いている。
大統領府の報道官は声明で、「これまでに1人が死亡、少なくとも21人が病院に搬送され、うち19人が手当てを受けた後、退院した」と明らかにした。
エジプトで列車の脱線・衝突事故は珍しくなく、多くの専門家が設備のメンテ不足や安全基準に問題があると指摘している。
9月にはナイルデルタで旅客列車同士が衝突し、3人が死亡した。
シシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領は鉄道システムの近代化を目指しているものの、最低限のオーバーホールだけで2500億エジプト・ポンド(約7670億円)もの費用がかかると見込まれている。
南部ソハグ県で2021年に発生した列車同士の衝突事故では32人が死亡、100人以上が重軽傷を負った。同年末にはカイロ郊外で列車が脱線、11人が死亡している。
2002年にはカイロから南部の都市に向かっていた夜行列車で火災が発生し、300人以上が死亡。エジプト史上最悪の鉄道事故となった。