◎ジブチとイエメンの距離は最も近い地点で26キロほど。多くの移民がボロボロの木造船や頼りないゴムボートなどで横断を試みる。
アフリカ北東部・ジブチ沖で移民を乗せた2隻の船が沈没した事故について、地元メディアは2日、行方不明になっている少なくとも61人は全員死亡した可能性が高いと報じた。
国連の国際移住機関(IOM)によると、事故は9月30日の深夜に発生。2隻には少なくとも310人が乗船したとみられ、対岸のイエメンを出港し、ジブチの海岸を目指していた。
IOMは2日の声明で、「これまでに45人が死亡、32人が救助され、少なくとも61人が行方不明になっている」と述べていた。
ジブチ当局はこれまでに115人を救助したと報告している。この115人にIOMの32人が含まれるかどうかは不明である。
IOMの言う通り、2隻に310人が乗船していたのであれば、行方不明者は最大で150人にのぼる可能性がある。
地元ラジオ局は現場で捜索活動にあたる関係者の話しとして、「行方不明になっている少なくとも61人は全員死亡した可能性が高く、これから多くの遺体が海岸に流れ着くと予想している」と報じた。
沿岸警備隊によると、2隻のボートはジブチ北西部の海岸から150メートルほどの点で沈没したという。
ジブチとイエメンの距離は最も近い地点で26キロほど。多くの移民がボロボロの木造船や頼りないゴムボートなどで横断を試みる。
IOMによると、このルートは人身売買組織の支配下にあり、女性や子供が標的になっている。男性はイエメンの戦地に送られることもあるという。
イエメンにたどり着いた移民は徒歩でUAE(アラブ首長国連邦)やサウジアラビアを目指す。湾岸諸国から帰国する者は同じルートを逆にたどる。
IOMによると、昨年このルートを横断した移民は40万人近くに達し、700人近くが死亡または行方不明になったという。