◎ジブチとイエメンの距離は最も近い地点で26キロほど。多くの移民がボロボロの木造船や頼りないゴムボートなどで横断を試みる。
アフリカ北東部・ジブチの海岸近く(Getty Images)

アフリカ北東部・ジブチ沖で移民を乗せた船が沈没し、少なくとも45人が死亡、数十人が行方不明になっている。国連の国際移住機関(IOM)が1日、明らかにした。

それによると、事故は9月30日の深夜に発生。アフリカの移民を乗せた2隻の船が沈没したという。

2隻には少なくとも310人が乗船したとみられる。2隻は対岸のイエメンを出港し、ジブチの海岸を目指していた。

IOMは2日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「現地職員がジブチ沿岸警備隊の救助作業を支援している」と明らかにした。

ジブチ当局はこジブチに115人を救助したと報告しているが、死者数には言及していない。

IOMはこれまでに45人が死亡、32人が救助され、数十人が行方不明になっていると述べた。この32人がジブチ沿岸警備隊が救助した115人に含まれるかどうかは不明である。

沿岸警備隊によると、2隻のボートはジブチ北西部の海岸から150メートルほどの点で沈没したという。

ジブチとイエメンの距離は最も近い地点で26キロほど。多くの移民がボロボロの木造船や頼りないゴムボートなどで横断を試みる。

IOMによると、このルートは人身売買組織の支配下にあり、女性や子供が標的になっている。男性はイエメンの戦地に送られることもあるという。

イエメンにたどり着いた移民は徒歩で湾岸諸国を目指す。湾岸諸国から帰国する者は同じルートを逆にたどる。

IOMによると、昨年このルートを横断した移民は40万人近くに達し、700人近くが死亡または行方不明になったという。

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