◎マリの軍指導部は2020年に政権を掌握、翌年クーデターを起こした。それ以来、同国と西側諸国の関係はぎくしゃくしている。
2024年9月17日/マリ、首都バマコ(Getty Images/AFP通信)

アフリカ西部・マリの首都バマコで発生した銃撃戦について、現地メディアは20日、少なくとも77人が死亡し、約200人が負傷したと報じた。

軍事政権の報道官は17日に放送された国営テレビのインタビューで、「武装勢力がバマコの士官学校に潜入しようとしたため、軍による掃討作戦を展開し、テロリストを無力化した」と述べていた。

AFP通信によると、バマコの複数の地区で銃撃戦や火災が確認され、20日午前の時点で77人が死亡、200人が負傷し、市内の病院は負傷者であふれかえっているという。

SNSにも「近くで銃声と爆発音が聞こえた」「銃を持った男たちが街中をうろついている」などといった投稿が多数寄せられている。

軍政は市内の国際空港を閉鎖している。

国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)は17日、ウェブサイトに犯行声明を掲載した。

JNIMは政府軍に致命的な人的・物的損失を与え、航空機を破壊したと主張している。

軍政は武装勢力を無力化し、治安を回復したと発表。その後、軍に死傷者が出たことを認めた。

国営テレビは20日、目隠しをされ手を縛られた約20人の容疑者とみられる男たちが連行される様子を報じた。

陸軍の参謀総長は国営テレビの取材に対し、「テロリストを掃討する作戦は続いている」と述べた。

マリの軍指導部は2020年に政権を掌握、翌年クーデターを起こした。それ以来、同国と西側諸国の関係はぎくしゃくしている。

西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘル地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。

この3カ国の軍政は旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、ロシアに急接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、民間人を巻き込みながら過激派を掃討している。

しかし、マリ軍政は過激派の抑え込みに苦労しており、今年7月にはワグネルとみられるロシアの傭兵少なくとも50人がJNIMの待ち伏せにより殺害されている。

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