◎M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
コンゴ民主共和国、首都キンシャサの空港、EUが提供したM痘(エムポックス)ワクチン(Getty Images)

アフリカ疾病予防管理センター(CDC)は12日、アフリカ中央部・コンゴ民主共和国におけるM痘(エムポックス)の死者がこの1週間で107人確認されたと明らかにした。

それによると、わずか1週間で3160人の新規感染者が確認され、少なくとも107人が死亡したという。

アフリカCDCは声明で、「この死者数の急増は容認できないものであり、国境を越えた感染予防対策の徹底を関係機関だけでなく、市民にも強く要請したい」と述べた。

M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。

重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。

死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。

世界保健機関(WHO)は先月、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

アフリカCDCとWHOが打ち出したM痘対策6ヶ月計画の概算予算は約6億ドルで、その55%がコンゴを含むアフリカ14カ国の対策と15カ国の準備態勢の強化に割り当てられている。

アフリカは現在、M痘ワクチンを受け取っている最中である。コンゴにはすでに25万人分が届けられたが、WHOはこの大流行を食い止めるためには300万回分が必要と訴えている。

EUの執行機関である欧州委員会のHERA(欧州保健緊急事態準備・対応局)はこれまでに20万回分を提供。さらに50万回を送ると約束したが、時期は明らかにしていない。

今年コンゴで確認されたM痘感染者は2万人超。死亡者数は724人。感染者の大半が15歳以下の子供である

コンゴ当局は10月2日からワクチン接種キャンペーンを開始する予定だ。

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