◎世界保健機関(WHO)は先月、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
M痘(エムポックス)の大流行に見舞われているアフリカ中央部・コンゴ民主共和国に米政府が提供した5万人回のワクチンが到着した。現地メディアが11日に報じた。
首都キンシャサのM痘対策委員会の責任者はAP通信の取材に対し、「このワクチンは最も深刻な被害を受けているエクアトゥール州、南キブ州、サンクル州の3地域に展開され、10月2日から接種を開始する予定である」と語った。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。
世界保健機関(WHO)は先月、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
EUの執行機関である欧州委員会のHERA(欧州保健緊急事態準備・対応局)が提供した10万回分のワクチンは先週、キンシャサに到着した。
これはデンマークのバイエルン・ノルディック社が製造したもので、さらに10万回分が週末に到着した。
米国が提供した5万回分もこれと同じである。
WHOは同国のM痘感染を食い止めるためには300万回分のワクチンが必要であるとして、国際社会にさらなる支援を呼びかけている。
EUはさらに50万回分の提供を約束しているが、時期は明言していない。
今年コンゴで確認されたM痘感染者は約2万人。死亡者数は643人。感染者の大半が15歳以下の子供である。コンゴと国境を接するブルンジでも感染者が急増している。