◎プエルトリコは2017年のハリケーンで送電網が壊滅的な被害を受けて以来、送配電設備の改修を急いできた。
米領プエルトリコ、送配電会社ルマ・エナジーの社員(Getty Images)

米領プエルトリコの国会が5日、全国各地で停電が続いていることを受け、電力会社2社の代表に回答を求めた。

プエルトリコは2017年のハリケーンで送電網が壊滅的な被害を受けて以来、送配電設備の改修を急いできた。地元メディアによると、建て替えが必要な鉄塔は全体の40%にのぼる。

今週、発電不足に起因する停電が複数の都市で発生。学校や企業を含む数万人が電気を失った。

複数の下院議員は5日、送配電会社であるルマ・エナジーと発電所を管理するジェネラPRの社長に対し、6日に国会に出頭し、現在進行中の停電について質問に答えるよう要求した。

下院議員たちは声明で、「もう言い訳はいらない、説明もいらない」と述べた。「国民は明確で的確な答えを求めています...」

ルマ社は4日、停電の原因はジェネラPR社の発電不足と脆弱な発電インフラにあると主張。「ジェネラはその責任を受け入れるべきだ 」と述べた。

一方、ジェネラはルマ社が急遽発電量を減らすよう要求したため、修理中の発電ユニットが損傷してしまったと主張した。

プエルトリコの電力設備は2017年のハリケーン・マリアで壊滅的な被害を受けた。送電網の復旧は道半ばで、計画停電が常態化している状態だ。6月初めには猛暑の中で大規模停電が発生、34万人以上が影響を受けた。

国民は電気料金が4.6%値上げされることにも不満を感じている。値上げは9月分からで、1kwh当たりの料金は米本土の平均より40%ほど高くなる。

両社はプエルトリコ電力公社による90億ドル以上の負債を整理し、20世紀半ばから放置され、老朽化したインフラを近代化しようと奮闘している。

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