◎逮捕された政治犯の多くが刑務所内の手作り裁判所で実刑判決を言い渡されている。
米ホワイトハウスのサリバン(Jake Sullivan)大統領補佐官(国家安全保障担当)は5日、中米ニカラグアの刑務所に投獄されていた政治犯135人が釈放されたと発表した。
サリバン氏は声明で、「彼らは人道的な理由で釈放された」と述べたが、解放に至った経緯やオルテガ政権とのやり取りなど、詳細は明らかにしなかった。
サリバン氏は「表現の自由、結社の自由、宗教の自由という基本的権利を平和的に行使した人々を刑務所に入れるべきではない」と強調した。
釈放された人の中には米テキサス州に拠点を置く宗教慈善団体のメンバー13人、カトリック信徒、学生などが含まれている。
グアテマラのアレバロ(Bernardo Arévalo)大統領は5日、釈放されたニカラグア市民が米国への亡命を申請する間、受け入れることに同意したと明らかにした。
人々は5日早朝、グアテマラの首都にある空軍基地からバスで出発し、何人かは窓から手を振っていた。
ニカラグア政府は解放の理由を明らかにしておらず、声明も出していない。
独裁者のオルテガ(Daniel Ortega)大統領は2018年に大規模な抗議デモが勃発して以来、3500以上のNGOを閉鎖または非合法化し、野党政治家を含む数千人を恣意的に逮捕・投獄してきた。
それ以来、数十万人が国外に流出。その大半が隣国コスタリカに渡り、米国を目指している。
オルテガ政権は昨年、300人以上の政治家や活動家などを国外追放し、国籍を剥奪した。
逮捕された政治犯の多くが刑務所内の手作り裁判所で実刑判決を言い渡されている。