◎2018年に破綻したイラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止しているが、イランは60%の高濃縮ウランを生産し続けている。
イランの最高指導者ハメネイ師(Getty Images)

イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師は27日、急速に進む核開発計画をめぐる米国との再交渉に門戸を開き、「敵と話し合うことは害ではない」と述べた。

先月就任したペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領はイラン核合意の復活を目指すと公言しているが、ハメネイ師は交渉再開に明確なレッドラインを設定しているようだ。

2018年に破綻したイラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止しているが、イランは60%の高濃縮ウランを生産し続けている。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

専門家によると、イランは数発分の核弾頭を製造できるレベルのウランを保有している。

ハメネイ師は米国を「敵」と呼びつつ、交渉再開の可能性を否定しなかった。

中東情勢はイラン、イスラエル、パレスチナを中心に緊迫化。ガザ紛争に終わりは見えず、イスラエルと周辺国の緊張は高まり、11月に米大統領選を控える中、ペゼシュキアン氏は難しいかじ取りを強いられている。

国営イラン通信(IRNA)によると、ハメネイ師は「敵と対話できないということではない」と述べる一方、米国に主導権を握らせることはないと警告した。

ハメネイ師は三権の長であり、すべての最終決裁権を持っている。

ここ数年、イランと米国は中東の仲介国(オマーンとカタール)を介して間接協議を行ってきた。

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