◎ポーランドはローマ・カトリックが多数派を占める国で、教会が強い立場を維持している。
ポーランドのトゥスク(Donald Tusk)首相は23日、欧州で最も厳しいとされる同国の中絶法を変えるだけの支持を国会で集めていないと認めた。
トゥスク氏は昨年12月に就任した際、妊娠12週目までの中絶を認める改正案を提出すると約束していた。
トゥスク氏は首都ワルシャワのイベントで講演した際、「改正案はどうなっているのか?」という質問を受け、「今の国会で成立させることは難しい」と答えた。
またトゥスク氏は「政府はこれを緩和するために、検察庁、医療当局、その他多くの専門家や有識者などと協議を続けている」と述べた。
ポーランドはローマ・カトリックが多数派を占める国で、教会が強い立場を維持している。
しかし、同国も近年、経済発展により急速に世俗化が進んでいる。中絶は多くの有権者が注目する問題のひとつであり、社会的・政治的分裂の根源となっている。
現行法では中絶はレイプや近親相姦の場合、あるいは妊婦の生命や健康に危険が及ぶ場合にのみ認められている。
保守的な前政権は胎児に問題があると確認された場合の中絶を認めるという条項を削除する改正案を成立させ、大規模な抗議デモに発展した。