◎過去数年の中絶件数は1万2000件前後。過去10数年は低い水準で推移してきたが、22年に上昇に転じた。
ノルウェー政府は23日、妊娠18週目までの人口妊娠中絶を合法化する法案を国会に提出すると発表した。
同国の法律は妊娠12週目までの中絶を認めているが、地元メディアによると、多くの妊婦がそれ以降の中絶を求めて医療機関や診療所を受診している。この法律は半世紀前に施行された。
妊婦の命が危険にさらされた場合は12週目以降の中絶も可能である。
保健省の報道官は声援で、「この改正案は今日の実務に沿ったものである」と強調した。
また報道官は「諸般の事情により、12週目以降の中絶を申請し、拒否された人はほとんどいない」と述べた。
同省によると、過去数年の中絶件数は1万2000件前後。過去10数年は低い水準で推移してきたが、22年に上昇に転じたという。
昨年は1万2814件で、22年から6.7%増加した。
全体の8割が9週目までに行われ、全体の9割が薬による中絶だという。
ノルウェーで中絶が認められたのは1978年。女性は手術または薬による中絶を選ぶことができる。
地元メディアによると、少なくとも80人の国会(一院制、定数169)議員が改正案への賛成を表明している。採決時期は明らかになっていない。
ガール・ストーレ(Jonas Gahr Store)首相は今週、「多くの議員が与党の方針に沿って投票することを望む」と表明しながらも、「これは良心の問題でもあるため、与党議員であっても反対票を投じることは可能だ」と強調した。
ノルウェーにおける宗教の割合はキリスト教プロテスタントのルーテル教会が大多数を占める。その他はすべて少数派だ。
デンマークも今年5月、中絶が可能な期間を12週目から18週目までに延長する方針を示した。