◎カナダの山火事シーズンは5月から10月頃まで続く。
2024年8月2日/カナダ、西部アルバータ州、ジャスパー国立公園近くのコミュニティ(AP通信)

カナダ西部アルバータ州のユネスコ世界自然遺産、ジャスパー国立公園とその周辺で発生した山火事について、地元当局は12日、避難中の住民約5000人が16日には自宅に戻ることができると明らかにした。

アルバータ州は数週間前から熱波に覆われ、山火事が多発。数万人が避難を余儀なくされた。

ジャスパー国立公園では先月22日に少なくとも2カ所で大きな山火事が発生。当局は周辺住民と観光客、約2万5000人に避難を命じた。

同園の焼失面積は数百平方キロメートルと推定されている。

ジャスパー市の市長は12日付けの声明で、「住民は新しい日常に備えるべきである」と述べる一方、水道や電気など、必要不可欠なサービスの復旧作業は道半ばであると強調した。

消防によると、ジャスパー市内にある建物の3分の1が焼失したとみられる。学校や浄水場などは被害を免れた。

市の建物や設備も被害を受けた。カナダ放送協会(CBC)は消防当局者の話しとして、「外観は問題なくても、内部が煙や消火作業の水で被害を受けているケースがある」と伝え、被害を確認した場合は市役所に連絡するよう促した。

ジャスパー国立公園沿いの幹線道路は先週封鎖を解除したが、同園の林道やキャンプ場などは閉鎖されたままだ。

一部の病院も外来の受け入れを制限している。ゴミの収集も再開されていない。一部地域では錆を含む水が出たと伝えられている。

カナダの山火事シーズンは5月から10月頃まで続く。昨年の焼失面積は同国史上最悪の1万5000平方キロメートル超(岩手県とほぼ同じ)、23万人以上が避難を余儀なくされ、4人の消防士が亡くなった。

山火事の原因は落雷、たき火、キャンプファイヤー、花火、下草やゴミの焼却処理など。極度の高温と乾燥で自然発火することもある。

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