◎治安当局は大統領選の結果に抗議するデモを厳しく取り締まり、これまでに2000人以上を逮捕した。
国際刑事裁判所(ICC)のカーン(Karim Khan)主任検察官は12日、南米ベネズエラの大統領選に関連する抗議デモや治安当局の取り締まりを注視していると表明した。
カーン氏は声明で、「ベネズエラで起きていることを積極的に監視しており、先月末の大統領選後の暴力やその他申し立てに関する複数の報告を受けている」と明らかにした。
マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の支配下に置かれる選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、現職のマドゥロ氏が得票率51%で勝利したと発表。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保したと報告。それによると、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけているという。
米国を含む数カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけている。
治安当局は結果に抗議するデモを厳しく取り締まり、これまでに2000人以上を逮捕した。
カーン氏は声明の中で、「ICCは現在、最高レベルでベネズエラ政府と関与し、法の支配が確実に遵守されることの重要性を強調し、すべての市民がローマ規程に基づき侵害から保護されなければならないことにコミットしている」と強調した。
ローマ規程はICCの構成、管轄犯罪、手続きなどを規定する国際条約である。
マドゥロ氏は12日、国民に対し、大統領選の結果を疑う者を糾弾するよう呼びかけた。
またマドゥロ氏は反体制派の逮捕が急増すると予想されるため、政府は現在、2つの刑務所の改修を進めていると警告した。
マドゥロ氏はこう強調した。「容赦しない...」
ICCはベネズエラの2017年の選挙後の暴力に関する調査を継続しているが、今のところ逮捕状は求めていない。
ベネズエラの司法当局は先週、全野党が軍に対し、マドゥロ氏への忠誠を再考するよう促したことを受け、ゴンザレス氏と全野党の指導者であるマチャド(María Corina Machado)元議員に対する犯罪捜査を開始すると発表した。
捜査がどの程度進んでいるかは不明。ゴンザレス氏とマチャド氏は国家反逆罪を含む複数の罪に問われる可能性がある。
2人の所在は明らかになっておらず、当局の捜査に協力しているかどうかも不明である。