◎この暴動はイングランド北西部サウスポートの住宅地で発生した殺傷事件に端を発する。
イギリスのスターマー(Keir Starmer)首相は4日、移民排斥などを訴える暴動が各地で発生していることを受け、市民に対し、インターネットの偽情報に騙されないよう呼びかけた。
首相府は4日午後にスターマー氏の声明を発表。「政府は凶悪犯罪を容認せず、必要な措置を取り、犯罪者を裁く用意がある」と強調した。
またスターマー氏は「直接暴力に関与した者はもちろん、ネット上でこの行動を煽り、逃げ出した者もこの暴力に加担したことを後悔することになる」と述べた。「これは抗議行動ではなく、組織化された暴力的な凶悪犯罪であり、そのような行為に関与する者に居場所はない...」
この暴動はイングランド北西部サウスポートの住宅地で発生した殺傷事件に端を発する。
この事件は7月29日に発生。17歳の容疑者がサウスポートのダンススクールで女児3人を殺害、10人に大怪我を負わせた。数人が意識不明の重体となっている。
SNSでは事件後、容疑者の偽の氏名が拡散。さらに容疑者が最近到着した移民であるという偽情報も広まった。
ロンドン警視庁はこの事態を受け、容疑者の氏名を公表。容疑者の両親はルワンダ出身であったが、移民ではなかった。
BBCによると、イングランド北部の一部地域の暴動が特に激しく、移民排斥を訴える数百人が難民の受け入れ拠点になっている施設を襲撃したという。
機動隊は暴徒による投石や火炎瓶攻撃に遭い、放火や略奪も報告された。
報道によると、数十人の警察官が負傷し、うち少なくとも1人が意識不明の重体になっているという。逮捕者の数は明らかになっていない。
サウスポートの暴動に参加した男性はBBCの取材に対し、「私はイギリス人であり、移民からこの国を守るために戦っている」と語った。
右翼はフランスからドーバー海峡を渡ってイギリスに押し寄せる移民がこの数年で急増し、移民に対する懸念の高まりを利用し、支持を集めようとしている。