◎ジャスパー国立公園はカナディアン・ロッキー最大の国立公園であり、ユネスコの世界自然遺産に登録されている。
2024年7月23日/カナダ、西部アルバータ州、ジャスパー国立公園のコミュニティ(AP通信)

カナダ西部アルバータ州のユネスコ世界自然遺産、ジャスパー国立公園とその周辺で発生した山火事について、地元当局は28日、「今後数カ月間燃え続ける可能性がある」と警告した。

州対策本部の報道官は記者会見で、「少なくとも今後3カ月間はこの山火事に取り組むことになると覚悟している」と語った。

アルバータ州は数週間前から熱波に覆われ、山火事が多発。これまでに数万人が避難を余儀なくされている。

ジャスパー国立公園では22日に少なくとも2カ所で大きな山火事が発生。当局は周辺住民と観光客、約2万5000人に避難を命じた。

同園は26日時点の焼失面積を320平方キロメートル(東京23区の半分)と推定している。

気象台によると、アルバータ州の一部地域では100ミリ近くの雨が降ったものの、多くの山火事が延焼し続けているという。

消防はジャスパー市内だけで358棟の建造物が焼失したと報告。負傷者は確認されていない。

中央政府の対策本部は27日、ジャスパー市で発生した停電は復旧に向かっており、さらなる調査と復旧に向けて取り組みを進めていると声明を出した。

州当局によると、27日時点で約1万7000人が避難所などに身を寄せているという。

消防は州全土で157件の山火事が発生し、44件が制御不能、45件が延焼中、68件が制御下にあると報告している。3つの地域に出された避難命令は継続中だ。

カナダ放送協会(CBC)によると、オンタリオ州、ケベック州、オーストラリア、南アフリカの支援が28日中に到着する予定。

カナダの山火事シーズンは5月から10月頃まで続く。昨年の焼失面積は同国史上最悪の1万5000平方キロメートル超(岩手県とほぼ同じ)、23万人以上が避難を余儀なくされ、4人の消防士が亡くなった。

山火事の原因は落雷、たき火、キャンプファイヤー、花火、下草やゴミの焼却処理など。極度の高温と乾燥で自然発火することもある。

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