◎ドイツの極右勢力はこの数カ月で勢いを増し、懸念を引き起こしている。
ドイツ内務省が16日、極右月刊誌「コンパクト」を発禁処分にすると発表した。
フェーザー(Nancy Faeser)内務・国家相は声明で、「コンパクトはユダヤ人、移民のルーツを持つ人々、議会制民主主義に対する憎悪をあおっている」と非難した。
それによると、処分の対象はコンパクト誌とそれを発行するコンパクト・マガザン社、それに関連する映画製作会社。
警察はこれらの企業や経営者、株主に関連する国内の4つの地域の不動産やアパートを家宅捜索した。
フェーザー氏はコンパクトを 「右翼過激派の震源地 」と評した。
またフェーザー氏は「コンパクトはユダヤ人、移民のルーツを持つ人々、そして議会制民主主義に対して、言いようのないやり方で煽っている」と非難した。
コンパクトは2010年に創刊された月刊誌で、編集長は極右のエルゼッサー(Jürgen Elsässer)氏、発行部数は約4万部。書籍、CD、DVD、その他商品を販売するオンラインショップも運営している。
内務省はコンパクトについて、「反ユダヤ、反マイノリティ、歴史修正主義、陰謀論的な内容を定期的に発信している」と評している。
ドイツの極右勢力はこの数カ月で勢いを増し、懸念を引き起こしている。
極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は複数のスキャンダルに見舞われながらも、先月初めの欧州議会選で躍進。最大野党「キリスト教民主同盟(CDU)」に次ぐ2位につけた。