◎オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
トルコ政府は3日、シリア北東部のクルド人自治政府が地方選挙を予定していることについて、「トルコの安全保障を脅かす脅威であり、容認できない」と批判した。
クルド当局は先週、6月11日に県知事選や市議会選などを実施すると発表していた。
トルコはこの動きをクルド独立に向けた取り組みのひとつとみなしている。
トルコ政府はクルド労働者党(PKK)やクルド人民防衛部隊(YPG)などのテロ組織がクルド人自治政府を支援し、独立国家の建設を企てていると長年非難してきた。
トルコ国防省の報道官はAP通信の取材に対し、「テロ組織の脅威に対抗するため、シリアとイラク国境沿いに非武装地帯を設ける取り組みを維持・強化する」と語った。
また報道官は「テロ組織によるこのような取り組みを容認することはできず、シリアとトルコを領土を脅かせば、クルド勢力は厳しい現実に直面するだろう」と警告した。
報道官はクルド側が選挙に踏み切った場合、どのような行動に出るかは詳しく説明しなかった。
トルコ軍は定期的にシリアとイラクのクルド人自治区を空爆している。
米政府の支援を受ける民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は先週末、トルコ軍のドローンが同自治区を空爆し、SDFの兵士4人が死亡、一般市民11人が負傷したと明らかにしていた。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。