◎オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
トルコ軍のドローンがシリア北東部のクルド人自治区を空爆し、民兵4人が死亡、一般市民11人が負傷した。米政府の支援を受ける民兵組織「シリア民主軍(SDF)」が1日、明らかにした。
それによると、ドローンは5月31日夕方、郊外の集落などを少なくとも8回空爆したという。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はクルド当局が地方選挙を実施する計画を推し進めれば、躊躇なく行動すると宣言していた。
SDFによると、ドローンは北部の都市カミシュリやその近郊の集落を少なくとも8回空爆し、民家や車が被害を受け、SDFの戦闘員4人が死亡、地元住民11人が負傷したという。
トルコ軍は定期的にシリアとイラクのクルド人自治区を空爆している。
AP通信によると、救助隊員が空爆を受けた現場に向かっていたところ、ドローンのミサイル攻撃を受け、走行不能になったという。
トルコ政府はコメントを出していない。
クルド当局は今週、6月11日に県知事選や市議会選などを実施すると発表していた。
米国務省の報道官は5月31日、X(旧ツイッター)にコメントを投稿。「シリア北東部でそのような選挙を行う条件は整っていないと考えている 」と書き込んた。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
トルコ政府はこの紛争を主導するクルド労働者党(PKK)やクルド人民防衛部隊(YPG)などをテロ組織に指定し、シリアとイラクのクルド勢力拠点を定期的に空爆している。