◎デモは10日午前に始まり、複数の町で暴動に発展。警察官を含む少なくとも2人が死亡、100人以上が負傷した。
2024年5月12日/インド、カシミール地方のスリナガル、インフレに抗議するデモ(Mukhtar Khan/AP通信)

パキスタンの係争地カシミール地方でインフレに抗議するデモが続いている。現地メディアが13日に報じた。

スリナガルでは4日連続で集会が開かれ、一部の暴徒と機動隊が衝突。数人が拘束される事態となっている。

デモは10日午前に始まり、複数の町で暴動に発展。警察官を含む少なくとも2人が死亡、100人以上が負傷した。

ザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領は12日、政府高官らと抗議デモを鎮静化させる方法について協議。「自治体の長らと電話で話し、デモ隊の要求を受け入れるかどうかを検討する用意があることを確認した」と声明を出した。

カシミールの首長らは13日、デモの主催者と会談。インフレのバロメーターとして見られている小麦と電気料金を引き下げると発表した。

しかし、その後も抗議デモは続き、複数カ所で暴動に発展。スリナガル郊外の地区では暴徒が店舗を略奪した、車に火を放った。

パキスタンの消費者物価指数(CPI)は一時40%を上回ったものの、国際通貨基金(IMF)との新たな融資交渉が始まる期待感を反映し、17%まで低下した。

IMFは先月末、パキスタンに対する融資30億ドルのうち、残り11億ドルの送金を承認した。政府は60億ドルの追加融資を希望している。

財務省は13日、IMFとの協議を開始したと明らかにした。

インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は全く立っていない。

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