◎サイバー・パルチザンズ・グループと名乗るハッカー集団はその証拠として、KGBウェブサイトの管理者リスト、データベース、サーバーログをテレグラムで公開した。
ベラルーシのハッカー集団が国家保安委員会(KGB)のシステムに侵入し、8600人以上の職員の人事ファイルにアクセスしたと主張している。複数の現地メディアが26日に報じた。
KGBはこの主張に関するコメントを出していないが、同組織のウェブサイトは現在、閲覧できなくなっている。
サイバー・パルチザンズ・グループと名乗るハッカー集団はその証拠として、KGBウェブサイトの管理者リスト、データベース、サーバーログをテレグラムで公開した。
グループの広報担当はAP通信の取材に対し、「このサイバー攻撃は我々が国内の原子力発電所を狙っていると主張したKGB長官の偽情報に対応するものである」と語った。
また広報担当はKGBが同国史上最大の政治的弾圧を行っていると非難。「無実の罪で刑務所に収監されたり、逮捕された政治犯を解放するために、抑圧的なKGBを攻撃している」と強調した。
それによると、同組織は数年前にKGBネットワークへの侵入に成功し、それ以来、職員の人事や個人情報などを入手してきたという。
最終的には8600人以上の情報をハッキング。それらを世界に公開することで、ルカシェンコ政権に弾圧をやめるよう促すとしている。
ベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」によると、2020年の大統領選以来、少なくとも4690人が政治的動機により有罪判決を受けたり、裁判を受けることなく刑務所に投獄されているという。
KGBを含む治安部隊は大統領選の結果に抗議する市民を弾圧。3万5000人以上を逮捕し、数千人を殴打した。
ビアスナの創設者であり、2022年にノーベル平和賞を受賞した人権活動家ビアリアツキー(Ales Bialiatski)氏も無実の罪で投獄された政治犯のひとりである。