◎ジョージアとロシアの関係は2008年の南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
ジョージア・トビリシの国会前で15日、隣国ロシアの法律を模倣したと批判されている「外国エージェント法案」に反対する集会が開かれ、数千人が参加した。
デモ隊はEUとジョージアの国旗を掲げ、「プーチン臭のする法案にノー」と叫んだ。
政府与党は昨年、この法案の採決に踏み切ろうとしてが、街頭デモが激化したことを受け、断念した。
この法案は外国から資金の20%以上を得ているメディアやNGOを「影響力のある団体・組織」に指定し、必要書類の提出を求めるとしている。
野党、専門家、現地メディアは同様の法律がロシアで導入され、反体制派メディアやNGOの弾圧に利用されていると非難。トビリシなどで大規模な抗議デモや暴動が展開された。
中央政府は今月、この法案の内容の一部とタイトルを見直して国会に再提出すると発表した。
国会前で地元テレビ局の取材に応じた男性は「自由のために戦う」と語った。
別の女性は「プーチンの臭いのする法律などいらない」と述べた。
コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相は15日、記者団に対し、「この法案は助成金を受けるメディアやNGOの透明性を確保するものであり、ロシア法と呼ぶのは間違いだ」と語った。
しかし、野党とメディアはこの法案が政権に否定的な独立系メディアの活動を制限し、批判的な声が圧殺されると主張。同国のEU加盟交渉を妨害するものだと糾弾している。
親欧米派のズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「ジョージアの再ソビエト化にノー」と書き込み、デモへの支持を表明した。
ジョージアとロシアの関係は2008年の南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。
両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。