◎NATO加盟国が外部から攻撃を受けた場合、5条(集団防衛)が発動し、米国を含む全31カ国が防衛に当たる。
共和党支持者の歓声に応えるトランプ前大統領(Getty Images)

バイデン(Joe Biden)米大統領は火曜日、トランプ(Donald Trump)前大統領が国防費にGDP比2%を拠出するというNATOの努力目標を守らない加盟国を「守らない」と発言したことに憤慨し、厳しく非難した。

バイデン氏はホワイトハウスの会見でこの発言を「衝撃的」「非米国的」と糾弾。ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領にさらなる戦争と暴力へのゴーサインを出したと断じた。

またバイデン氏は「世界がこの発言を聞いた。最悪なのは、彼が本気だということだ」と強調した。

トランプ氏は10日の共和党集会で国防費にGDP比2%を拠出するというNATOの努力目標を達成していない加盟国を「役立たず」と罵り、在任時にNATO加盟国の首脳から「ロシアから攻撃を受けた場合、米国は5条(集団防衛)を守るか」と問われた際、「守らない。むしろ、ロシアに攻撃を奨励する」と答えたと明らかにした。

バイデン氏はこの発言について、「危険な、そして衝撃的な、率直に言って米国的でないシグナルを世界に発信した」と非難した。

トランプ氏は在任時、何度もNATOを「役立たず」「烏合の衆」「無能」などと批判していた。

バイデン氏は5条を「神聖な約束」と呼び、「それを守ることに意味がある」と強調した。「米国は約束を守ります。NATOは神聖なものであり、トランプはそれを重荷であるかのように見ています...」

またバイデン氏はトランプ氏がウクライナに侵攻したロシアに「招待状」を渡したと述べた。「米国の歴史上、ロシアの独裁者に頭を下げた大統領はひとりもいません。はっきり言わせてください。私は決してそんなことはしない。それは愚かで、恥ずべきことで、危険だ...」

トランプ氏は自身のSNSトゥルース・ソーシャルに声明を投稿。NATO加盟国にメッセージを送った。「お前たちは支払わなければならない」

NATO加盟国が外部から攻撃を受けた場合、5条が発動し、米国を含む全31カ国が防衛に当たる。

2023年の財政支出をまとめたNATOのレポートによると、米国を除く30カ国のうち19カ国の国防費がGDP比2%という目標値を下回っている。

しかし、ウクライナまたはロシアと国境を接するほとんどの国がこの目標値を上回っていた。

ポーランドは米国を上回るGDP比3.9%を国防費に充てている。ルーマニア、ハンガリー、フィンランド、バルト三国のラトビア、リトアニア、エストニアの国防費は2.3~2.7%である。

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