◎インドネシアは国連で1951年に採択された「難民の地位に関する条約」に加盟していないが、2016年の大統領令で難民の扱いに関する規定が定められて以来、多くのロヒンギャを受けている。
2023年12月27日/インドネシア、アチェ州、避難所に移動するロヒンギャ難民(ZiRahmat Mirza/AP通信)

インドネシア海軍は28日、ミャンマーの少数民族ロヒンギャとみられる難民を乗せたボートがスマトラ島北部アチェ州の海岸に近づいたため、国際水域に押し戻したと発表した。

アチェ州にはこの1カ月で1500人を超えるロヒンギャがボートで到着している。

ロヒンギャの受け入れに反対する学生や保守派はジョコ政権に行動を起こすよう要求。首都ジャカルタでも反移民デモが行われる事態に発展した。

地元メディアによると、沿岸警備隊は27日、ロヒンギャとみられる人々を乗せたボートがアチェ州沖の領海に入ったという通報を受け現場に急行。その後、海軍のヘリが木造船を発見したという。

海軍はボートの乗組員に許可なく領海に入らないよう命じ、国際海域に押し戻したとしている。

中央政府は11月以来、不法入国するロヒンギャが急増していることを受け、領海のパトロールを強化している。

アチェ州の州都バンダアチェでは27日、反移民派が137人のロヒンギャが身を寄せる公民館を急襲。機動隊と衝突した。

地元テレビ局は学生とみられる集団が機動隊のバリケードを突破し、ロヒンギャの荷物を2台のトラックに無理やり乗せる様子を報じた。一部のロヒンギャは集団に「やめてください」「子供だけは許して」と泣きながら懇願していた。

ミャンマー軍政による2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外退避を余儀なくされた。

バングラのコックスバザール地区には70万人以上のロヒンギャが避難し、世界最大の難民キャンプを形成している。

バングラから海路で出国するロヒンギャのほとんどが仕事を求めてイスラム教徒の多いマレーシアを目指す。

インドネシアは国連で1951年に採択された「難民の地位に関する条約」に加盟していないが、2016年の大統領令で難民の扱いに関する規定が定められて以来、多くのロヒンギャを受けている。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク