◎地元メディアによると、負傷者が出たという報告はない。
セルビアの首都ベオグラードで24日、総選挙の結果に異議を唱える野党デモが暴動に発展し、機動隊と衝突する事態に発展した。
デモ隊はベオグラードの市庁舎に突撃。機動隊は催涙ガス弾で応戦し、少なくとも35人を逮捕した。
国民議会選(一院制、定数250)で過半数を堅持したブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領はこの暴動に「外国勢力が関与している」と主張。「野党率いる外国のテロ勢力が国家機関を乗っ取ろうとした」と非難した。
ブチッチ氏は国営テレビの取材に対し、「セルビア人は政権転覆を企てる野党と外国勢力を容認しない」と語った。
与党・セルビア進歩党(SNS)に破れた野党は国民議会と地方議会選で不正があったと主張。ブチッチ氏はこれを否定し、野党を「嘘つき野郎」と罵った。
野党は不正を裏付ける証拠を提示していない。
ブチッチ氏はベオグラード市庁舎で暴動が発生した直後に声明を出し、野党を「凶悪犯」と呼んだ。
デモ隊は機動隊を押しのけ、市庁舎の入り口ドアや窓ガラスを割った。
その後、機動隊の本体が到着し、バリケードを構築。催涙ガスと唐辛子スプレーを発射し、暴徒を撃退した。
デモ隊は「ドアを開けろ」「泥棒ども」「ブチッチはプーチンだ」などと叫びながら機動隊に石、卵、ガソリン爆弾などを投げつけた。
デモに参加した野党議員はフェイスブックに声明を投稿。「機動隊が警棒で市民を殴ったり、蹴っ飛ばしたりしている」と非難した。
地元メディアによると、負傷者が出たという報告はない。