◎ヨルダンやサウジアラビアを含む多くの湾岸諸国がシリアのアサド政権が主導するカプタゴン(アンフェタミン系薬物)の密売に悩まされている。
ヨルダン軍は12日、北部のシリア国境沿いで治安当局と麻薬密売組織が衝突し、兵士1人を含む数人が死亡、1人が負傷したと発表した。
それによると、密売組織は霧による視界の悪さを利用してヨルダンに大量の麻薬を持ち込もうとしたという。
陸軍の国境警備隊がこれを発見、銃撃戦になった。当局は「組織の構成員数人を殺害し、数人がシリア側に逃走した」と報告している。
ヨルダンやサウジアラビアを含む多くの湾岸諸国がシリアのアサド政権が主導するカプタゴン(アンフェタミン系薬物)の密売に悩まされている。
カプタゴンは「貧乏人のコカイン」と呼ばれ、湾岸諸国や欧州などで人気を集めている。シリア内戦でもカプタゴンが出回り、多くの戦闘員が恐怖心を薄れさせるために使用したとされる。
シリアのカプタゴン産業の規模は数十億ドルと推定されている。
ヨルダン当局はこの数カ月間、ドローンを使って麻薬を送り込もうとする密輸組織の取り組みを阻止してきた。
イギリスのNGOシリア人権監視団によると、ヨルダン当局と密売組織の衝突は砂漠地帯で確認されたという。
ヨルダン軍は8月末、シリア南部の国境付近にある麻薬工場を空爆。5月には国境沿いの密売組織の拠点を空爆し、この地域で有名なバイヤーとその家族が死亡している。