◎今年バングラデシュとミャンマーから出国したロヒンギャ難民は確認できているだけで3570人を超え、前年同時期の約2000人を大きく上回った。
インドネシのジョコ(Joko Widodo)大統領は8日、同国に密入国するミャンマーの少数民族ロヒンギャの難民が急増していることについて、人身売買組織が暗躍しているという見方を示した。
ジョコ大統領はメディア向けのテレビ会見で、「当局からスマトラ島北部アチェ州に上陸するロヒンギャ難民が増えているという報告を受けた」と明らかにした。
またジョコ大統領は「人身売買を生業とする犯罪組織が密入国に関与している可能性が高い」と述べ、政府は人身売買に対し、断固とした行動を取ると強調した。
アチェ州警察は8日、人身売買に関与したとされる同州在住の男3人を逮捕したと発表した。3人はロヒンギャ難民30人の移動を手助けした疑いが持たれている。
警察の報道官は記者団に対し、「3人は難民から1人あたり180万ルピア(約1万6800円)を徴収したと証言している」と語った
アチェ州には11月以来、1000人以上のロヒンギャ難民がボートで到着している。
国際NGOセーブ・ザ・チルドレンによると、今年バングラデシュとミャンマーから出国したロヒンギャ難民は確認できているだけで3570人を超え、前年同時期の約2000人を大きく上回った。
今年出国した難民のうち、少なくとも225人が死亡または行方不明になったことが確認されている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は今週、ロヒンギャ難民推定400人を乗せた船2隻がアンダマン海で消息を絶ったと明らかにした。
ミャンマー軍政による2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外退避を余儀なくされた。
バングラのコックスバザール地区には70万人以上のロヒンギャが避難し、世界最大の難民キャンプを形成している。