◎ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
パキスタン南西部バルチスタン州でオートバイに乗った武装集団がポリオワクチン接種キャンペーンに参加していた医療従事者らを襲撃し、護衛の警察官2人を殺害した。地元当局が1日、明らかにした。
それによると、事件はバルチスタン州の州都クエッタ郊外で発生。医療従事者にケガはなく、武装集団は現場から逃亡したという。
犯行声明は出ておらず、陸軍と警察が捜査に当たっている。
ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
死亡率は地域によって異なるが、ワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、妊婦はさらに高いと推定されている。
パキスタン政府は2年ほど前からポリオ撲滅キャンペーンを展開しており、感染者は減少傾向にある。
保健当局によると、今年1月以降に確認された感染者はわずか1人。撲滅が間近に迫っているという期待が高まっている。
パキスタンのイスラム過激派や武装勢力は米CIA(中央情報局)が国際テロ組織アルカイダの創設者ビンラディン(Osama bin Laden)を追跡する際に偽のワクチン接種活動を行ったことで、ポリオキャンペーンを敵視するようになった。
過激派はワクチンを「西洋の陰謀」「イスラム教徒を不妊化するウイルス」などと呼び、医療関係者らを標的にしている。
パキスタンとアフガンは世界で唯一、ポリオを根絶できていない国である。