◎エジプトは経済危機と通貨安の真っ只中にあり、先月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で32.9%増となり、過去最高を大きく更新した。
エジプト、首都カイロの市場(Getty Images)

エジプト中央銀行は30日、主要政策金利を2%引き上げたと発表した。

同行の金融政策委員会はオンライン声明で、政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)を16.25%から18.25%に引き上げたと報告した。

同国は経済危機と通貨安の真っ只中にあり、先月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で32.9%増となり、過去最高を大きく更新した。1月は26.5%だった。

政府の統計によると、同国の人口約1億400万人の3分の1近くが貧困状態にある。ロシアによるウクライナ侵攻がもたらした食品の値上がりは人口の大多数を占める低中所得者層の生活に大打撃を与えた。

穀物、肉、魚、果物、米など、あらゆる品目の価格がこの数カ月で急激に上昇した。エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、そのほとんどをロシアとウクライナから調達してきた。

通貨安も深刻であり、エジプト・ポンドは現在「1ドル=30エジプト・ポンド」前後で取引されている。2年前は「1ドル=15エジプト・ポンド」ほどだった。

昨年10月に国際通貨基金(IMF)からの融資30億ドルが合意に達すると、通貨安が加速した。政府は融資の見返りとして、為替レートの自由化や燃料補助金の削減など、IMFが求める財政健全化策を受け入れた。

シシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領は苦境を乗り切るため、日用品を安く販売する市場を設置。今月初めには公務員の月給を1000エジプト・ポンド(約4400円)引き上げると発表した。

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