◎アフリカ北部のチュニジアとリビアには多くの亡命希望者が押し寄せている。
チュニジアの国境警備隊は24日、地中海で亡命希望者2000人以上を救助したと発表した。
それによると、警備隊は今週、沖合で移民船を10隻以上救助したという。
警備隊の報道官は声明で、「22日から23日の間に2034人を救助し、7人の遺体を収容した」と明らかにした。それによると、このうち9人がチュニジア人で残りは中東・アフリカ・アジアの移民だという。
地元の人権団体は22日に沖合でボートが転覆し、移民5人が死亡、28人が行方不明になっていると報告していた。
イタリア沿岸警備隊も24日に地中海で295人を乗せた移民ボートを救助する写真を公開した。
イタリア内務省の統計によると、昨年と2021年の第1四半期に不正入国を試みた移民は約6000人だったのに対し、今年はこれまでに2万人以上が救助されたという。
チュニジア沖で22日に転覆したとされるボートはイタリアのランペドゥーザ島を目指し、チュニジアの港湾都市スファックスを出港したと伝えられている。
アフリカ北部のチュニジアとリビアには多くの亡命希望者が押し寄せている。人々は頼りないゴムボートやボロボロの木造船に乗り、イタリアのシチリア島などを目指す。
チュニジアのサイード(Kais Saied)大統領は1月末、サハラ砂漠以南のサヘル地域からチュニジアに入る不法移民が多くの犯罪に関与していると非難し、取り締まりを強化すると宣言。当局はアフリカ系の移民数百人を逮捕し、サイード氏の支持者による人種差別事件も急増している。
地元メディアによると、嫌がらせや強制退去で居場所を失った多くの移民が首都チュニスの街角で野宿を余儀なくされているという。