◎東ネグロス州は共産主義者による暴力や血生臭い政治闘争の舞台となった州のひとつであり、左翼ゲリラだけでなくイスラム過激派の暴力にも悩まされている。
フィリピンのマルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領は6日、中部・東ネグロス州の知事らが射殺されたことを受け、治安当局に武装勢力や違法銃器を取り締まるよう命じた。
東ネグロス州のデガモ(Roel Degamo)知事は4日、州内の集落で村人らと対話活動を行っている際に銃撃された。この攻撃でデガモ氏と市民8人が死亡、医師1人と陸軍兵士2人を含む少なくとも17人が負傷した。
当局はアサルトライフルで武装し、軍服風の迷彩服と防弾チョッキを着た少なくとも6人の男が3台のSUVから降りてきて知事らに発砲したと発表している。
マルコス氏は記者会見で、「武装した集団が知事と市民に向け無差別に発砲する映像を見てショックを受けた」と語った。
またマルコス氏は攻撃を糾弾し、「関与した組織・個人をひとり残らず罰する」と約束した。
地元メディアによると、事件現場を含む州の広い範囲に軍が配備され、警察が攻撃に関与した者を追跡しているという。
マルコス氏はこの攻撃を「政治的動機によるもの」と説明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
警察によると、2人の元陸軍兵士を含む4人が逮捕され、1人が警察との銃撃戦の末に死亡したという。
内務省は6日、左翼ゲリラやイスラム過激派などが活動する地域を重点的に取り締まり、私兵を解体し、犯罪を助長する違法銃器を没収するよう国家警察に命じた。
デガモ氏は医療支援などを求める村人と面会中に射殺された。警察によると、事件に関与したのは10人程度とみられ、現場近くにSUVを乗り捨て逃走したという。
デガモ氏は昨年の大統領選でマルコス氏を支持した。地元メディアによると、デガモ氏は昨年の知事選で落選したものの、裁判所に異議を申し立て、紆余曲折の末に再選したという。
東ネグロス州は共産主義者による暴力や血生臭い政治闘争の舞台となった州のひとつであり、左翼ゲリラだけでなくイスラム過激派の暴力にも悩まされている。