◎ブティダウンはバングラデシュと国境を接する交易の要衝であり、軍事政権の拠点が複数あるとされる。
ミャンマー、ラカイン州ブティダウンの通り(Getty Images)

ミャンマーの民主派勢力が18日、西部ラカイン州の主要都市ブティダウンを制圧したと発表した。

ブティダウンはバングラデシュと国境を接する交易の要衝であり、軍事政権の拠点が複数あるとされる。

ラカイン族の武装集団「アラカン軍」の報道官はAP通信の取材に対し、「軍政の戦闘員を街から追い出し、我々の支配下に置いた」と語った。

アラカン軍はこの町で2017年に起きたロヒンギャ追放に関与したとされる。

一部の人権団体はアラカン軍が当時の軍政の支持により、ロヒンギャの集落を焼き払ったと告発しているが、それを証明する証拠は示されていない。

この地域はインターネットも電話もほとんど通じず、現地の状況を把握することは困難である。

アラカン軍の報道官によると、軍政の兵士数百人が投降したり、民主派勢力に寝返ったという。

一部の独立系メディアは数百人がバングラに逃げ込んだと報じている。バングラ政府はこの報道に関するコメントを出していない。

アラカン軍、東部カレン州の少数民族ゲリラ「カレン民族同盟(KNU)」、チン州の反体制派「チン民族戦線(CNF)」などからなる民主派勢力は昨年10月、中国国境に近い北部で反攻を開始。複数の地域から国軍を追い出した。

民主派勢力の支配地域は拡大し続け、中国国境沿いの北東部の広い範囲を占領。投降した一部の兵士を取り込むことに成功した。

KNUはタイ国境近くの要衝ミャワディも制圧。軍政の兵士数千人がタイに逃亡したり、KNUに寝返ったりした。

アラカン軍は18日午後、テレグラムに声明を投稿。「ブティダウンの郊外で戦闘が続いており、同軍の部隊が退却する国軍兵士とそれを支援するイスラム派のゲリラ民兵を追跡している」と書き込んだ。

軍政はブティダウンに関するコメントを出しておらず、ミャンマー国営放送(MRTV)もこれに関する報道を行っていない。

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