◎フン・セン氏は40年近くにわたってカンボジアを統治し、反政権派の活動や独立系メディアを厳しく取り締まってきた。
カンボジアのフン・セン(Hun Sen)首相は12日、トルコ・シリア地震の支援活動に関して誤った情報を発信したとされる独立系メディアに閉鎖を命じた。
ラジオ局も所有する民間テレビ局VODは今週、トルコ政府に10万ドルを寄付するという政府の決裁文書にフン・セン氏の長男が署名したと報じた。
フン・セン氏の長男フン・マネット(Hun Manet)氏は軍司令官を務め、父親の跡を継いで与党・カンボジア人民党の党首になると噂されている。
フン・セン氏はVODの報道を否定し、72時間以内に謝罪するよう求めていた。
国営メディアによると、フン・セン氏は12日遅くにVODのライセンスを取り消すよう命じ、VODが謝罪文を出したとしても受け入れられないと批判した。
国営メディアはフン・セン氏の発言を引用し、「報道はフェイクであり、海外援助の最終決裁者は首相だ」と報じている。
VODは報道が誤りであることを認めたうえで、「悪意はない」と謝罪した。
国営メディアによると、VODは13日の現地時間午前10時までにすべての報道を停止する必要がある。
フン・セン氏は声明の中で、「VODの海外スポンサーは今すぐ撤退しなさい」と述べている。
フン・セン氏は40年近くにわたってカンボジアを統治し、反政権派の活動や独立系メディアを厳しく取り締まってきた。
カンボジア人民党は2018年の総選挙で全議席を獲得。野党は選挙前の弾圧で事実上解体され、裁判所もフン・セン氏の方針を支持した。