◎カナダ北西部の沿岸から米国の中心部まで伸びる北極圏の強烈な寒気は今後数日居座ると予想されている。
2023年2月2日/米テキサス州ダラスの通り(Tony Gutierrez/AP通信)

国立気象局(NWS)は3日、カナダと米国の広い範囲が記録的寒波の影響を受けていると警告した。

NWSによると、両国の市民1億人近くが気象警報の対象下に置かれている。ホワイトハウスも「一世一代」の寒さに備えるよう警告した。

カナダのマニトバ州から米南部州の広い範囲に警報が発令されている。気象当局は対象地域の住民に3日~4日の間は不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。

NWSは声明で、「対象地域では屋外に10分とどまると凍傷を引き起こす可能性がある」と警告した。

米南部では今週初め頃から悪天候が続き、少なくとも11人が死亡。テキサス州で8人、オクラホマ州で2人、アーカンソー州で1人の死亡が確認された。

カナダ北西部の沿岸から米国の中心部まで伸びる北極圏の強烈な寒気は今後数日居座ると予想されている。

NWSによると、8200万人が気温マイナス17度以下を経験し、3日午後の時点で12の観測地点で最低気温の記録を更新したという。

メイン州ポートランドの一部地域は強風の影響でマイナス40度まで低下すると予想されている。

バーモント州バーリントンの3日の最高気温はマイナス20度と予想された。

マサチューセッツ州ボストンは非常事態宣言下に置かれ、市内の公立学校はすべて閉鎖された。近隣地域も同様の措置を取っている。

ニューヨーク市の天候は4日までには回復するとみられるが、それでも最低気温はマイナス13~17度と予想されている。

カナダ北部と中部州の最低気温はマイナス38~50度と予想されている。環境省は3日未明に極寒警報を発令し、対象地域以外の住民にも不要不急の外出と車での移動を控えるよう求めた。

カナダの首都オタワでは凍傷を引き起こす可能性があるとして、地元のスキー場と屋外アイススケート場が閉鎖された。トロントの3日の最低気温はマイナス29度を記録した。

米国で最も暖かい州のひとつであるテキサス州は暴風と路面の凍結に見舞われ、各地で停電が発生。地元メディアによると、停電は徐々に復旧しつつあるものの、完全復旧には数日かかる可能性があるという。

テキサス州、アーカンソー州、ミシシッピ州の3日午前時点の停電世帯数は30万以上と報告されている。

テキサス州の消防・警察は路面の凍結によるスリップ事故の対応に追われている。今週の衝突事故件数は数百件に達し、死亡事故も報告された。

AP通信によると、南部オクラホマ州でも1日未明に車6台が絡む衝突事故が発生し、35歳の運転手が死亡したという。

テキサス州警察はスタッドレスタイヤまたはチェーンの使用を強く推奨し、凍結した道路や橋では速度を落とすよう呼びかけている。

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