◎ワインセラーの周辺では先週、「不法滞在者とみられる家族がいる」という通報が数件警察に寄せられていた。
オーストリア当局は30日、チェコ国境に近いニーダーエスターライヒ州の私設ワインセラーに不法侵入した男女2人を先週逮捕したと発表した。
州警察によると、男女は生後7カ月から5歳の児童6人と一緒にワインセラーの地下室に不法滞在していたという。
警察の報道官は声明で、「男女は銃、クロスボウ、唐辛子スプレーなどを所持していた」と述べている。
地元メディアによると、ワインセラーの周辺では先週、「不法滞在者とみられる家族がいる」という通報が数件警察に寄せられたという。
地元の副市長はオーストリア放送会社(ORF)の取材に対し、「住民はワインセラーの地下室から子供の声がすると通報した」と語った。
副市長によると、異変に気付いた住民が先週ワインセラーをチェックすると、男に唐辛子スプレーを浴びせられたという。男はワインセラーの地下室ドアをバリケードで塞いだ。
住民は警察に通報し、その後男女は逮捕された。警察は地下室を捜索、男女の子供とみられる児童6人を保護した。
警察によると、男はイギリス人と証言したという。入管のシステムに男女は登録されておらず、児童6人の身元も不明。
警察の報道官は声明の中で、「児童6人にケガなく、放置されたり、暴力を受けた痕跡はみられない」と説明した。
一方、地元メディアは関係者の話を引用し、「この男は帝国市民運動の信奉者とみられる」と報じている。
この極右組織は第二次世界大戦における連合軍のドイツ分割と現在のドイツ連邦共和国を違法と考え、ドイツ帝国の存続を信じ、ナチスを崇拝している。
州警察の報道官は男が帝国市民運動と関係があると報じられたことについて、「現時点で男が組織に属しているという証拠は確認できていない」と述べた。